2026.05.07 Work

サイバーフィジカルシステム(CPS)、研究から現場実装へアプリズムが取り組む「経験と勘」からの脱却

Work 2026.09.07

鉄鋼・製造の現場で、CPS(サイバーフィジカルシステム)の導入が相次いで発表されています。属人化していた操業判断をデータで再現し、現場にフィードバックする――株式会社アプリズムは、AI・エッジAI・画像認識を核に、この一連のサイクルを現場に実装する取り組みを進めています。

大手製造業でも、CPSは「導入フェーズ」に入った

サイバーフィジカルシステム(CPS)とは、現場(フィジカル空間)のセンサーデータをAIで解析し、デジタル空間(サイバー空間)に高精度な仮想プロセスを再現、その結果を再び現場の判断や制御にフィードバックする一連の仕組みです。長らく「概念」として語られてきたCPSですが、2025年後半から、大手製造業による具体的な導入発表が相次いでいます。

  • JFEスチールは2025年10月、国内で稼働する全7機の焼結鉱製造設備にCPSを導入したと発表。膨大なセンサーデータに基づく統計モデルと熱化学反応の物理モデルを融合し、将来の操業状態をリアルタイムに予測する仕組みを構築しました。これまでオペレーターの経験と勘に依存していた品質管理・操業判断を、データに基づく再現性のある形に置き換えています。※1
  • 同社はすでに国内全8基の高炉にもCPSを導入済みで、焼結工程を含む製造プロセス全体への展開を進めています。※2
CPSは、実際の製造プロセスから収集したセンサーデータをAIで解析し、デジタル空間に高度な仮想プロセスを再現、この2つをリアルタイムに繋ぐ仕組み。

市場規模の予測も、この動きを裏づけています。世界のCPS市場は2025年に約1,258億5,000万米ドル、2026年には約1,442億4,000万米ドルに達し、2032年までに約3,405億1,000万米ドル規模へ拡大すると予測されています(CAGR15.27%)。※3

FIG.1 ― 世界のCPS市場規模予測
2025
1,258.5億ドル
2026
1,442.4億ドル
2032
3,405.1億ドル
出所:※3の公表値をもとにアプリズム作成。CAGR15.27%(2026〜2032年)。市場の定義により調査機関ごとに数値は異なります。

課題は「AIモデル」ではなく、現場との接続にある

CPSの本質は、優れた予測モデルを作ることそのものではありません。センサーからのデータ収集、AIによる解析、仮想空間での予測、そして現場へのフィードバックという一連のサイクルを、実際の業務環境の中で途切れずに回し続けることにあります。特に、超高温・高粉塵といった環境ではセンサー設置自体が難しく、現場ごとに異なる制約への対応が求められます。

経済産業省も、CPSが社会全体の価値創出とデータ駆動型社会の実現に重要な役割を果たすとし、その戦略的な導入を後押ししています。※4

アプリズムの取り組み ― 「データを集める」から「現場を変える」へ

株式会社アプリズムは、画像認識・エッジAI・IoTセンサー・システム開発の技術を組み合わせ、CPSの考え方を現場に実装する取り組みを行っています。

01現場データの収集とセンシング設計

カメラ・センサーから現場のデータを継続的に収集できる仕組みを、業種・環境に応じて設計します。目視で行っていた点検・検査業務を、画像認識AIによるセンシングに置き換えることで、これまで数値化されていなかった現場の状態をデータとして扱えるようにします。

02AIによる解析とサイバー空間での再現

収集したデータをAIで解析し、異常検知や予兆把握につなげます。統計的な手法だけでなく、対象領域の物理的な特性を踏まえたモデル設計を行うことで、現場の状態をより高い精度で再現します。

03クラウドとエッジの使い分け

学習や大規模な分析はクラウドで、リアルタイム性が求められる判断は現場のエッジで処理する、Cloud to Edgeの設計を行います。通信環境や現場の制約に応じて、最適な処理配置を選定します。

04現場へのフィードバックとサイクル化

分析結果を現場の判断や制御に反映し、その結果を再びAIにフィードバックする循環を構築します。単発のシステム導入で終わらせず、PoCから本導入、そして継続的な改善サイクルまでを見据えた設計・運用支援を行います。

PHYSICAL
現場データの収集

カメラ・センサーによるセンシング

CYBER
AIによる解析・予測

統計モデル×物理モデルの融合

FEEDBACK
現場への反映

判断・制御へのフィードバック

CYCLE
継続的な改善

結果を再びAIへ学習させる循環

FIG.2 ― アプリズムが目指すCPS実装サイクル

製造・点検業務で想定される適用領域

製造業

  • 設備の異常検知・予兆把握
  • 品質のばらつき検知
  • 操業状態の可視化・予測
  • 点検・検査業務の自動化

監視・インフラ

  • 設備・環境のモニタリング
  • 異常の予兆検知
  • 現場データの継続的蓄積
  • 属人化していた判断基準の数値化

CPSに関するご相談・PoCについて

製造・点検・監視の現場で、次のようなご相談を承っています。

  • 現場データを活用したCPSを導入したい
  • 目視での点検・検査業務をAIで置き換えたい
  • 異常検知・予兆保全の仕組みを構築したい
  • PoCから本導入まで一貫して相談したい
お問い合わせはこちら

<株式会社アプリズムについて>
株式会社アプリズムは、AI・生成AI・エッジ/フィジカルAIを中核とした先端技術開発を強みとするテクノロジーカンパニーです。産官学連携による研究開発から、製造・点検・検査・監視分野での現場への社会実装までを一貫して支援し、人手不足や属人化といった産業課題の解決に貢献しています。
https://apprhythm.co.jp/

会社株式会社アプリズム
部署/担当AIソリューション推進部
Emailaisol@apprhythm.co.jp

■ 出典

1. MONOist「JFEスチールがCPSで焼結鉱製造設備の品質安定化と生産性向上を推進」(2025年10月23日)
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2510/23/news051.html

2. 日本経済新聞「JFEスチール、自社製鉄所の全高炉にデータサイエンス技術を導入」
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP522675_V01C19A1000000/

3. グローバルインフォメーション「サイバーフィジカルシステム市場:構成要素、接続技術、導入形態、組織規模、業界別―2026年~2032年の世界市場予測」
https://www.gii.co.jp/report/ires2083603-cyber-physical-system-market-by-component.html

4. 経済産業省「CPSによるデータ駆動型社会の到来を見据えた変革」

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