2026.09.03 Work

フィジカルAIが「研究」から「現場実装」へアプリズムが挑む、AI×エッジAI×ロボティクスの現場DX

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フィジカルAIが「研究」から「現場実装」へ
アプリズムが挑む、AI×エッジAI×ロボティクスの現場DX

生成AIに続く産業変革の領域として、カメラ・センサー・ロボットを通じて現実世界を認識し、判断し、動作までを実行する「フィジカルAI(Physical AI)」への注目が高まっています。NTTグループをはじめとする大手事業者が計算基盤・映像基盤・ロボット制御の各レイヤで事業化を進めるなか、株式会社アプリズムは、AI・エッジAI・システム開発・ロボティクスをつなぐ「実装パートナー」として、製造・物流現場へのフィジカルAI導入に取り組んでいます。

大手事業者の参入で、フィジカルAIは産業インフラの領域へ

フィジカルAIとは、AIがデジタル空間の中だけで情報を処理するのではなく、カメラやセンサーを通じて現実世界を認識し、判断し、ロボットなどの実際の動作まで実行する技術です。製造、物流、建設、社会インフラなど、これまで人が担ってきた「見る・判断する・動かす」という仕事そのものを対象とします。

この領域は、すでに研究テーマの段階を越えています。直近1年のあいだに、通信・クラウド事業者による事業化が相次いで発表されました。

  1. 2025.12
    NTT・NTTドコモビジネスがMujinと資本業務提携。ロボット制御技術と通信・クラウド・AI技術を融合し、製造・物流領域の工程自動化・IoT化・フィジカルAI化を加速すると発表しました。※1
  2. 2026.06
    NTTドコモビジネスが映像AIプラットフォーム「docomo business SIGN VPaaS」の提供を開始。多様なデバイスの映像を収集・蓄積・分析する基盤で、将来的にはエッジAIとクラウドAIの連携により、分析結果を設備やロボットの制御に反映する構想が示されています。※2
  3. 2026.08
    NTTPCコミュニケーションズが「GPUクラウド for フィジカルAI」の提供を開始(8月1日提供開始、9月2日発表)。NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Editionを採用し、NVIDIA OmniverseライブラリやNVIDIA Isaac Simに対応。デジタルツイン構築やロボットシミュレーション、合成データ生成の環境をクラウドで提供します。※3
図1フィジカルAI領域における国内大手事業者の主な動き(各社公表資料をもとにアプリズム作成)

ロボット制御、映像基盤、GPU計算基盤という異なるレイヤで、ほぼ同時に事業化が進んでいることが分かります。これは、フィジカルAIが「AI×クラウド×エッジ×ロボット×現場」を統合する産業インフラへと進化し始めていることを意味します。

市場予測も、その見立てを裏づけています。世界のフィジカルAI市場規模は2025年に約816億ドル、2033年には約9,604億ドルに達し、年平均成長率36.1%で成長すると予測されています。※4

世界のフィジカルAI市場規模予測 2025年の約816億ドルから2033年には約9,604億ドルへ、年平均成長率36.1パーセントで拡大すると予測されている。 10,000 7,500 5,000 2,500 0 816 2025 9,604 2033 CAGR 36.1% 単位:億米ドル
図2世界のフィジカルAI市場規模予測(※4の公表値をもとにアプリズム作成。破線は年平均成長率を示す模式的な表現で、各年の推計値ではありません。市場の定義により調査機関ごとに数値は大きく異なります)

フィジカルAIは「AIモデル」だけでは実装できない

一方で、フィジカルAIの社会実装は、優れたAIモデルを用意すれば完成するものではありません。現場でひとつの動作を成立させるまでに、多くの技術を切れ目なくつなぐ必要があります。

INPUT カメラ・センサー
RECOGNIZE 状況認識・判断
(VLM/VLA)
PLAN 動作計画
EXECUTE エッジAI・
ロボット制御
OUTPUT 実際の作業
図3現場でフィジカルAIが1つの動作を実行するまでの流れ

さらにこの裏側には、GPUクラウド、デジタルツイン、シミュレーション、合成データ、エッジコンピューティング、ネットワーク、セキュリティ、そして現場システムや業務アプリケーションが存在します。つまりこれから求められるのは、AIを作れる会社だけではありません。

AIを、現実世界で動かせる会社。

アプリズムの取り組み ― 「AIを作る」から「AIを動かす」へ

株式会社アプリズムは、AIソリューション開発、エッジAI、システム開発の技術を組み合わせ、フィジカルAIの社会実装に取り組んでいます。AIモデルを開発して終わりではなく、現場のデータを取得し、認識し、判断し、動かし、結果を取得する。そして、その結果を再びAIにフィードバックする。この一連のサイクルを、実際の業務環境の中で成立させることを目指しています。

01AI・エッジAI・システム開発を一気通貫で実装

フィジカルAIでは、クラウドだけでも、ロボットだけでもシステムは完成しません。アプリズムは、AI・生成AI、画像認識、VLM、エッジAI、IoT・センサー、ロボティクス、Web/業務システム、データ基盤といった要素を組み合わせ、PoCから実運用までを見据えたシステム開発を行います。特定の技術に閉じるのではなく、目的に応じて最適なAI・デバイス・クラウド・エッジ環境を選定・統合することが強みです。

02「クラウド」と「現場」をつなぐ

フィジカルAIでは、クラウドAIと現場のエッジAIを適切に使い分けることが重要になります。学習や大規模な推論はクラウドで、リアルタイム性と可用性が求められる処理は現場のエッジで。アプリズムは、この Cloud to Edge の領域を技術的につなぎます。

CLOUD 学習・シミュレーション・大規模推論
GPUクラウド/計算基盤
AIモデルの学習・評価
デジタルツイン/合成データ生成
Cloud to Edge
EDGE & FIELD リアルタイム処理・制御・実作業
エッジAI(推論の現場実行)
カメラ・センサー
ロボット制御
実際の現場(製造・物流・インフラ)
図4Cloud to Edge の構成イメージ。上位レイヤで学習・検証し、下位レイヤで現場実行する

03ロボットを「動かす」だけではなく、AIで「考えさせる」

フィジカルAIの大きな可能性は、決められた動作を繰り返すだけのロボットから、状況を理解して自律的に行動するロボットへの進化にあります。たとえば「ペットボトルを取って」という自然言語の指示に対し、AIが対象物を認識し、位置・姿勢を推定し、把持方法を判断し、ロボットが実際に対象物を取得する。アプリズムは、こうした自然言語・視覚・AI判断・ロボット動作をつなぐ実装に取り組んでいます。

「ペットボトルを取って」

01対象物を認識する
02位置・姿勢を推定する
03把持方法を判断し、動作を実行する
ロボットがペットボトルを把持するイメージ アームの先端が、認識枠で囲まれたペットボトルに向かって伸びている様子を示したイラスト。 detected
図5自然言語指示からロボット動作までの処理イメージ

04シミュレーションから実機まで

いきなり実機でAIを学習・検証することには、大きなコストとリスクが伴います。そこで、仮想空間で検証してから現実世界へ展開する開発プロセスが重要になります。NVIDIA OmniverseやIsaac Simなどを活用した開発環境と、実際のロボット・カメラ・センサーを組み合わせることで、実機投入前に認識・判断・動作を繰り返し検証できます。

STEP 1 デジタルツイン構築

現場の設備・レイアウトを仮想空間に再現

STEP 2 シミュレーション

ロボット動作の検証と合成データ生成

STEP 3 AI学習・検証

認識・判断モデルの学習と精度評価

STEP 4 実機展開

現場条件下での動作確認と調整

STEP 1〜3で検証を繰り返すほど、実機試験に伴うコストと安全上のリスクを抑えられます。

図6シミュレーション先行のフィジカルAI開発プロセス

目指すのは、現場で回り続けるサイクル

アプリズムが目指しているのは、単体のロボット開発でも、AIモデル開発でもありません。クラウドで学習したAIが現場で動き、現場で得られた結果が再びAIに戻る。この循環を、実際の業務環境の中に作ることです。

Physical AI Implementation のサイクル クラウド、AI、エッジ、ロボット、現場、データの6つの要素が円環状につながり、現場で得られたデータが再びクラウドの学習に戻る循環を示した図。 Physical AI Implementation CLOUD AI・GPU・データ AI 認識・推論 EDGE リアルタイム ROBOT 動作・制御 FIELD 製造・物流 DATA 結果をAIへ
図7アプリズムが目指す Physical AI Implementation のサイクル

製造・物流の現場で想定される適用領域

現場の「見る・考える・動かす」をAIで高度化する取り組みとして、以下のような領域を想定しています。

製造業

  • AI外観検査
  • 部品認識
  • ロボットピッキング
  • 組立支援
  • 異常検知
  • 作業員支援
  • 自律搬送

物流

  • 荷物認識
  • ピッキング
  • 仕分け
  • 搬送
  • 倉庫内作業の自動化
  • 映像AIによる安全管理

映像データを収集・蓄積・分析する基盤や、フィジカルAI向けのGPU計算基盤が整いつつあることで、これらの領域はPoCから実運用へ進めやすい環境になってきました。エッジAI・ロボティクスと組み合わせることで、現場DXは次の段階へ進むことができます。

大手企業・技術企業との共創を進めます

フィジカルAIは、一社ですべてを完結できる領域ではありません。通信・クラウド企業、AI企業、ロボットメーカー、製造装置メーカー、SIer、そして現場を持つ事業会社。それぞれの強みを組み合わせて初めて社会実装が可能になります。アプリズムはその中で、「AI・エッジAI・システム・ロボティクスをつなぐ実装パートナー」というポジションを目指します。

重要なのは、AIの性能そのものではありません。現場の生産性が上がること、人手不足が解消されること、危険な作業が減ること、品質が高まること。そこまで実現して初めて、フィジカルAIは社会に価値をもたらします。

AIを研究する会社から、AIを現場で動かす会社へ。
「Cloud × AI × Edge × Robot × Field」をつなぐ、フィジカルAIの実装パートナーへ。

フィジカルAIに関する共同開発・PoC・技術連携のご相談

製造・物流・建設・インフラなどの現場で、次のようなご相談を承っています。

  • フィジカルAIを導入したい
  • ロボットをAIで高度化したい
  • VLM/VLAを現場に活用したい
  • エッジAIを導入したい
  • NVIDIA Omniverse/Isaac Simを活用したい
  • AI×ロボットのPoCを実施したい
  • フィジカルAIの共同開発パートナーを探している
  • 大規模なAI・ロボティクスプロジェクトを共同で進めたい
お問い合わせはこちら

<株式会社アプリズムについて>

株式会社アプリズムは、AI・生成AI・エッジ/フィジカルAIを中核とした先端技術開発を強みとするテクノロジーカンパニーです。産官学連携による研究開発から、製造・点検・検査・監視分野での現場への社会実装までを一貫して支援し、人手不足や属人化といった産業課題の解決に貢献しています。
https://apprhythm.co.jp/

■ お問い合わせ先

会社 部署/担当 Email
株式会社アプリズム AIソリューション推進部 aisol@apprhythm.co.jp

■ 本記事に記載されている製品名・サービス名・ロゴは各社の登録商標または商標です。

■ 出典

  1. NTT株式会社/NTTドコモビジネス株式会社/株式会社Mujin「NTT・NTTドコモビジネスとMujinの資本業務提携について」(2025年12月2日発表、提携締結日2025年12月1日)
    https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2025/1202.html
  2. NTTドコモビジネス株式会社「多様なデバイスの映像を統合して収集・蓄積・分析し、現場変革を加速させる映像AIプラットフォーム『docomo business SIGN VPaaS』を提供開始」(2026年6月11日)
    https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2026/0611.html
  3. NTTPCコミュニケーションズ株式会社「NTTPC、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwellを搭載したロボティクス/フィジカルAI向けGPUパブリッククラウドを提供開始」(2026年9月2日発表、2026年8月1日提供開始)
    https://www.nttpc.co.jp/press/2026/09/202609021500.html
  4. Grand View Research「Physical AI Market Size, Share & Trends Analysis Report」(グローバルインフォメーション掲載の日本語サマリーによる。2025年816億4,000万米ドル→2033年9,603億8,000万米ドル、2026〜2033年CAGR36.1%)
    https://www.gii.co.jp/report/grvi2018284-physical-ai-market-size-share-trends-analysis.html